ジビエのプロ直伝!初心者でも簡単に鹿肉を美味しく調理できるレシピとは?
「ジビエ料理を自分で作るのは難しそう」「レストランで楽しむもの」というイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
じつは、鹿肉ならいつものお肉と置き換えて、自宅でも気軽に楽しむことができます!焼肉やステーキ、ローストに煮込み、ミンチにしてミートソース…など、初心者にも簡単でおいしく、ヘルシーにいただけます。通販でお取り寄せをすれば、食べやすく加工されたものや調理済みの缶詰などを入手することも可能です。
また、最近のアウトドアブームでジビエバーベキュー(GBQ)も人気。キャンプやグランピングなど大自然の中での食事においても鹿肉は使いやすく、キャンパーたちからも注目の食材です。
そこで今回は、鹿肉初心者から食べ慣れた方まで、おいしく召し上がっていただける調理法や部位別のレシピなど、購入や調理の際に参考になる情報をまとめました。自宅にいながらレストランのようなおいしいジビエ料理をぜひお楽しみください!
目次
鹿肉って栄養価が高いの? 牛肉よりヘルシーって本当?
鹿肉は牛肉によく似た赤身のお肉ですが、低脂肪・高タンパクであるとともに、鉄分を豊富に含んでおり、人間の体に吸収されやすく、貧血や冷えを予防する効果があるとされています。さらに、エネルギー量はなんと牛肉の半分以下というヘルシーさ!ダイエッターやアスリートからも人気の食材です。
若い鹿の肉はあっさりとしつつもうま味が濃く、柔らかな肉質をしています。MOMIJIの鹿肉は「3歳以下のオス」と「4歳以下のメス」(※)に限定して加工しているので、柔らかくてシルキーなおいしさでご好評いただいています(くわしくはこちら)。
※野生動物の年齢は、歯・角・個体の大きさ・毛並みなどから、ハンターの知見により総括的に判断しています。
初心者でも美味しく調理できる鹿肉の部位は?部位ごとに最適な調理方法を教えて!
MOMIJIがまず食べていただきたい、初心者の方にもおすすめの部位は、ロースとモモ。慣れてきたらスジやアバラ、カタなどにも挑戦してみてくださいね。各部位を食べ比べするのもおもしろいですよ!
●初心者でも調理しやすいロース
背中部分にあたるロースは、一頭から取れる量が少ない希少な部位。牛肉に似たジューシーな赤身で、ステーキやローストにすることで肉本来のうま味を味わうことができます。
●うま味が強いモモ
コスパの良さが評判のモモは、スライスでもかたまり肉でも使いやすい部位。うま味が濃く、厚めにカットしてステーキや煮込みに最適です。さらに細かく分けると、外モモは少し硬めなので、噛むほどに味わいが広がる煮込みやから揚げ、コンフィなどがおすすめ。内モモは筋繊維が細かく柔らかいため、薄切りにして生姜焼きや数センチ角にカットして唐揚げにするなど、幅広い調理方法に対応可能。
●カツがおすすめヒレ
一頭から200g程しか取れない貴重な部位であるヒレは、衣をつけて揚げてヒレカツにするのがおすすめ。
●じっくり煮込んで食感を楽しむスジ、アバラ
硬めの肉質ながらじっくり煮込むことでホロホロ食感に仕上がります。赤ワイン煮込みや醤油ベースの和風煮込みで。
●ミンチで幅広く活用できるカタ
やや硬めな部位なので細切りにして炒め料理にするほか、ミンチにしてハンバーグやミートソース、麻婆豆腐にすることで幅広い料理に。
そのほか、すぐに食べられる加工品など、商品一覧はこちら
冷凍で届いた鹿肉の解凍方法は?
購入してから冷凍状態で届いた鹿肉を解凍する際は、おいしさを損なわないよう、表面と中心部の温度差が少ない状態でゆっくりと解凍しましょう。冷蔵庫解凍または流水解凍が最適です。個包装のまま食品用保存袋などに入れて、密閉した状態で行うとよいでしょう。常温や電子レンジなどで解凍を行うと、急激な温度差によって繊維が壊れ、うま味が損なわれてしまいます。
また、解凍の途中で肉から染み出す赤い液体は、血液ではなくうま味のもとである肉汁(ドリップ)ですので、流出を最小限にすることが重要。ドリップが気になる場合は、水で洗い流さずクッキングペーパーで優しく押さえるように拭き取りましょう。
鹿肉のかたまりはどう切ればいい? 料理別に適した切り方はある?
よりおいしく鹿肉を楽しむためには、調理法によって適した切り方をすることも大切です。
鹿肉は繊維が細かくスジが見えにくいのですが、焼きの場合は、筋肉繊維に対して直角に約3〜5mm程の厚さでカットするとよいでしょう。煮込みの場合は、2〜3cm角にカットすると、ホロホロとほどけるような口当たりと肉のうま味をしっかりと感じることができます。ブレンダーでミンチ・挽き肉にすると、肉肉しさが増して子どもから大人まで満足できますよ。
切るのが難しい場合には、塊のままオイル漬けにしてじっくり煮込み、食べる際に好みの大きさにほぐすのもいいですね。
おすすめの鹿肉レシピは?初心者でも失敗しないベストな調理法を教えて
初心者におすすめの鹿肉レシピは、ステーキやローストなどのシンプルな焼き調理。塩胡椒(ローズマリーなどのハーブ類も◎)で味付けし、両面をしっかり焼きましょう。アウトドアで楽しむときは網よりも鉄板(もしくは鉄鍋)が適しています。
鹿肉を焼くときは、バターもしくはオリーブオイルをたっぷりめに使うのがポイント。低脂質な鹿肉を少量の油で焼くと、ドリップが流出しパサっとした食感になってしまいます。ソースを作る際は、定番の赤ワインベースに加えて、醤油や味噌ベースで和風に仕上げてもいいですね。
ちなみに、鹿肉は赤ワインとの相性も抜群ですが、シンプルな味付けの時はビール、柚子胡椒やわさび醤油で食べれば日本酒ともよく合いますよ。
鹿肉を柔らかく仕上げるローストやステーキの火入れのコツは?
鹿肉は焼きすぎると硬くなってしまいます。柔らかく仕上げるためには強火でサッと、または弱火でじっくりと焼くのがポイント。
まず塩胡椒などで下味をつけ、2時間ほど常温に戻しておくと、焼きムラを軽減できます。常温に戻した鹿肉の余分な水分をとり、フライパンにバターやオリーブオイルを多めに入れて焼きましょう。肉汁が逃げ出さないように強火で軽く表面を焼き固めたら、火を弱めて肉から出た油分や煮汁をスプーンなどで回しかけながら焼いていきます。
これは、フレンチの「アロゼ」という技法。食材から出たうま味をもう一度食材にかけながら焼くことで、表面の乾燥を防ぎ、均一に熱を通しながら余すことなく味を行き渡らせることができます。
中華や和食にも!? 焼く・煮込むだけじゃない鹿肉のメニューを教えて
鹿肉は焼く・煮込むだけでなく、揚げたり炒めたり、和食や中華などにも変身できる万能食材なので、ぜひ挑戦してくださいね。
●鹿肉のおすすめレシピ① ヒレカツ
2〜2.5cmの厚さにカットしたヒレ肉を塩麹に漬け込み、半日から1日程度冷蔵庫で寝かせたあと、卵やパン粉をつけ油で揚げて完成。
●鹿肉のおすすめレシピ② しゃぶしゃぶ
厚さ1〜2mm程度にカットしたロースやモモをしゃぶしゃぶにすれば、さっぱりとしながらも鹿のうま味を堪能できます。薄いピンク色になったら食べ頃。サラダにのせて冷しゃぶにするのもオススメ。
●鹿肉のおすすめレシピ③ 中華炒め
カタをブロックで購入した場合は、ロースやモモに比べ少し硬めの部位なため、包丁で細切りにしてチンジャオロースなどの炒め料理にすると、ごはんのお供としても相性抜群。
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鹿肉料理は作り置きをしても大丈夫? 冷凍保存は可能なの?
牛肉や豚肉と同じように、加熱済みのものであれば冷凍保存が可能。好みの大きさにカットした鹿肉を軽く下茹でし、食品用保存袋などに入れて小分けして保存すると便利です。
MOMIJIの販売商品でもある「ローストベニソン」のような低温調理済みのものは、届いたまま冷凍保存することで、解凍後すぐに食べることができます。
カタやスジを煮込み料理にした場合は、食品保存容器などに入れて冷凍保存するといいでしょう。ただし、温めなどで再加熱することで、食感にパサつきが出てしまうこともあるため、缶詰商品の活用もおすすめですよ。
文:國澤芽衣 編集:飯田りえ 編集協力:しかくいまる
監修:MOMIJI株式会社代表/ハンター
兼澤幸男(かねさわゆきお)
1984年岩手県大槌町出身。東日本大震災前は船乗りだったが、震災で母が行方不明になったことをきっかけに、大槌町にUターン。シカによる農作物被害や、その駆除を行うハンターの減少を知りハンターに転身。有害駆除をする中で「奪った命を価値のあるものに」とジビエ事業化を目指す。2020年5月、野生の鹿を捕獲・食肉加工するため「MOMIJI株式会社」を設立。コロナ禍で販路がなくなり、直販サイト「ポケットマルシェ」での販売を開始。ホテル・レストランの注文も多く、現在、工場拡大を計画中。地元に新たな産業を生み出すべく、日々奮闘している。
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