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【奪った命をありがたくいただく】大槌鹿を追うハンター(猟師)の仕事

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【奪った命をありがたくいただく】大槌鹿を追うハンター(猟師)の仕事

わたしたちがお届けする大槌鹿は、独自のガイドライン「MOMIJIクオリティ」を設け、上質な肉質を追い求めています。狩猟から食肉加工まで一切の妥協を許さず、真摯に自然と向き合う日々ですが、みなさんにはあまり親しみのない世界かもしれません。

まず、野生動物の捕獲を行うハンター(猟師)は高齢化が進み、狩猟者数が減少しています。全国各地のさまざまな施策により駆除数は年々増えているものの、そのハンターの活躍を上回る勢いで鹿や猪の数は激増し続けているのです。 

今回のコラムでは、みなさんに少しでもハンターのことを知っていただけるよう、その実情についてまとめてみました。

 

ハンターになるには?免許取得後もさまざまな登録が必要

仕事であれ、趣味であれ、猟を行うならば目的を問わず、狩猟免許を取得する必要があります。

狩猟免許は都道府県知事が認定する国家資格。扱える猟銃の種類や狩猟方法によって4種類に区別されます(取得後も3年ごとに要更新)。


  1. 第一種銃猟免許(20歳以上)…装薬銃(ライフル銃・散弾銃)、空気銃(圧縮ガス銃)による狩猟
  2. 第二種銃猟免許(20歳以上)…空気銃(圧縮ガス銃)による狩猟
  3. 網銃免許(18歳以上)…むそう網、はり網、つき網、なげ網などによる狩猟
  4. わな猟免許(18歳以上)…くくりわな、はこわな、はこおとし、囲いわなによる狩猟

狩猟免許や猟銃所持許可を持っていても、出猟したい都道府県で「狩猟者登録」をしなくては密猟に当たるため、免許を取得しただけでは猟に出ることはできません。

 

 

ハンターが守るべき狩猟制度ってどんなルール?

ハンターが守るべき狩猟制度ってどんなルール?

日本には700種ほどの野生動物(哺乳類・鳥類)が生息していますが、狩猟が許可されているのは48種の鳥獣(鳥類:28種、獣類:20種)のみ。ごく一部に限定されています。休猟区や鳥獣保護区のほか、公道や寺社境内、民家の近くでは狩猟が禁止されているなど、都道府県によって狩猟可能な区域は厳密に定められています。

 

狩猟期間は、毎年11/15〜2/15(北海道のみ10/1〜1/31)までですが、野生鳥獣による被害の多い都道府県では、期間外でも狩猟が許可されています(有害鳥獣駆除は猟友会への入会が義務付けられている場合も)。また、猟銃を発砲できる時間帯は、日の出から日没まで。地域によってルールが異なるので、出猟するエリアの規定をよく把握しておく必要があります。

 

 

自然が相手、ハンターの四季と日々の活動について

ハンターは季節や天気の影響を大きく受けます。草木が生い茂る季節には、足場を確保するのにも苦労しますし、冬は極寒のなかで獲物をじっと待ち構えます。強風や雨、豪雪などの日には狩猟は行いませんが、悪天候が続くと出猟できないプレッシャーがのしかかります。

 

鹿が活発に活動する時間帯は夜間。MOMIJIのハンターは新山高原をメインフィールドに、日の出前の早朝から出発し、戻って日中の業務をこなします。そして、夕方にはまた猟へ。鹿のことをよく知るために生態を学び、出没しやすい場所や時間帯を調査するなど、探究し続けることも重要です。

 

そして、何よりも“命をいただく”ということに責任をもち、常にその心苦しさと向き合わなければなりません。MOMIJIのハンターは、命への感謝を胸に、ジビエを地域の財産にするという信念のもと狩猟を行っています。

 

 

地域おこし協力隊員・佐宗辰哉さんがMOMIJIを選んだ理由

地域おこし協力隊員・佐宗辰哉さんがMOMIJIを選んだ理由

MOMIJIの一員として活動している、大槌町第1期地域おこし協力隊の佐宗辰哉(通称・ドラゴン)さん。現在は、鹿の捕獲や解体、革製品づくりなどを行っています。狩猟免許は福井県で取得したのだと言います。


「以前から福井県や関東山地、北海道にて有害鳥獣捕獲に携わっていて、駆除した動物たちを廃棄することに疑問を感じていました。そして、そんな想いを抱くなかで見つけたのがMOMIJIでした。全国のジビエ事業者が苦しい経営状況にあるなかで、行政や住民とともに協働しているMOMIJIのあり方に驚き、高いクオリティを追求する熱い想いに気持ちが動かされました。協力隊員としての業務に狩猟は含まれていませんが、解体や発送作業の合間を縫って狩猟を行っています」

 

彼の日々の活動はこちらのnoteに綴っていますので、ぜひ! 読み応えたっぷりで、日々のMOMIJIでの生活が垣間見えますよ。

 

 

育成プロジェクトで目指す、ハンターが活躍する未来

若手ハンターの育成がますます必要とされているなか、私たちは「岩手ハンター育成プロジェクト」を実施しています。このプロジェクトは、ジビエを通してさまざまな地域課題を解決するために生まれた「大槌ジビエソーシャルプロジェクト(OGSP)」の取り組みのひとつ。

 

岩手県に在住しており、狩猟免許を取得しているが狩猟経験の浅い人を対象に、男女問わず歓迎しています。開講コースは「わな猟 初心者講座」「銃猟 初心者講座」の2種類。現役ハンターから、座学や実践を通して狩猟についてのリアルを学べます。「狩猟を始めてみたい」「人と自然を大切にしたい」という思いがある方はぜひご検討ください。

 

また、ハンターの仕事ぶりを間近で体験したい人やジビエを通じて食や命についてを学びたい方は、「大槌ジビエツーリズム」がおすすめ。こちらもぜひ、ご家族でお申し込みください。

育成プロジェクトで目指す、ハンターが活躍する未来



文:國澤芽衣 編集:飯田りえ 編集協力:しかくいまる

兼沢幸男(かねさわゆきお)

監修:MOMIJI株式会社代表/ハンター

兼澤幸男(かねさわゆきお)

1984年岩手県大槌町出身。東日本大震災前は船乗りだったが、震災で母が行方不明になったことをきっかけに、大槌町にUターン。シカによる農作物被害や、その駆除を行うハンターの減少を知りハンターに転身。有害駆除をする中で「奪った命を価値のあるものに」とジビエ事業化を目指す。2020年5月、野生の鹿を捕獲・食肉加工するため「MOMIJI株式会社」を設立。コロナ禍で販路がなくなり、直販サイト「ポケットマルシェ」での販売を開始。ホテル・レストランの注文も多く、現在、工場拡大を計画中。地元に新たな産業を生み出すべく、日々奮闘している。


ドラゴン佐宗

監修:ドラゴン佐宗(さそう)

東京都八王子市出身。有害鳥獣問題を知って以降、福井県・関東山地・北海道にて鳥獣捕獲に携わるも、埋設処理をしている現状に疑問を抱く。「人間の都合で殺さなければならないのであれば、せめてその命をありがたくいただき、活用すべきではないか」との想いが強くなり、地域おこし協力隊として、MOMIJI株式会社に参画。シカの捕獲・解体・革製品製作・SNS発信・イベント出展など、ジビエ関連業務に従事しながら、真の「猟師」となるべく修行中。

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  • MOMIJIコラム編集部